・キャンプに挑戦
・山小屋を利用
キャンプに挑戦
さて、日帰りハイキングも慣れてくると、やはりここは山での宿泊を伴うハイキング、そう「キャンプ」に挑戦してみたいものです。いいですね。
でも一口にキャンプと言っても、その種類はさまざまです。例えば日数からは、ハイキング気分で日帰りで楽しむデイキャンプから、文字通り宿泊を伴うオーバーナイト・キャンプなど様々です。
また、家族や仲間同士が山麓や川畔、海辺などで楽しむ定置キャンプから、登山の手段として移動しながら行う本格的なアルパイン・キャンプまで、いろいろなスタイルが楽しめます。
では、キャンプを始めるときどんなことに気をつけなけらばいけないでしょうか。
まず大事なことは、ちんとした計画を立てることです。やはり自然の中で過ごすのですから、安易な行動は考えものです。
キャンプ場の利用
キャンプがはじめての人は、慣れるまでは交通の便がよく、テントの設営グラウンドや水利施設などが整備された、営業キャンプ場での定置キャンプがおすすめです。
やはり、まったくの初心者がキャンプでいちばん不安になるのは、テントを上手に張れるかではないでしょうか。
最近のテントは機能的に造られていて、初心者でもかんたんに張れるものがありますので、ホントにその便利さ簡単さにはびっくりしてしまいますが、そういうことですので、初心者でも安心してください。
また、最近では、ハイキングブームにのって調理用具やテントまで貸してくれる、中には野菜や肉等の食材まで揃えてくれるキャンプ場まであり、難しい知識や技術を収得する必要がなく、手軽に楽しめ、服装や携行する装備も重装備になりません。
また、テントはやっぱり自信ないという方は、まったくテントを張らずにキャンプを楽しむこともできます。
それは、キャンプ場の宿泊施設を利用することです。
キャンプ場には、バンガローやキャビン、コテージ、ロッジなどの宿泊施設を持つところもたくさんあります。中にはベッドやトイレ、シャワー、お風呂、キッチンなどを備えたホテルのようなものまであるようです。
経験を積んでもっと生の自然を楽しみたいという場合であってもムリのない計画を立てて、テントの設営が許可されている場所でキャンプすることを心がけましょう。
キャンプ計画
キャンプを計画するにあたっては、まず、体験してみたい野外活動を決めてから、場所や日程を検討しましょう。
周辺の自然を利用したトレッキングやフィッシング、バードウォッチング、天体観測等々、目的とする野外活動があると、キャンプの候補地や適した時期など、必要な情報が集めやすくなります。
情報を集めるにはガイドブック(各種キャンプ場ガイド)やアウトドア雑誌などが役に立ちます。インターネットの条件検索もかなり有効。
キャンプ場によっては、利用したことのある人が、かなり詳しい情報をホームページに掲載していることもあります。
キャンプ場を選ぶ場合は、いくつか候補地を選択し、電話で問い合わせて設備などを確認するといいでしょう。
また休日などはキャンプ場も込むので、あらかじめ予約をしておくと間違いがありません。
自然を守る
「飛ぶ鳥後を濁さず」とは、キャンプの現場でこそ肝に銘じておかなければいけない格言です。
昨今の、キャンプ場のゴミ捨て場を覗くと、これが、仮にも自然を楽しみに来ているという人たちのしたことなのかと、暗澹とした気持ちにさせられます。
キャンプの絶対条件は昔も今も変わりありません。
それは、"原状復帰"です。本来、キャンプは生態系を乱さないために、撤収の際にはその痕跡をまったく残さないようにすることが鉄則なのです。
もちろん、ゴミ捨て場の完備したキャンプ場でも、痕跡はミニマムに押さえるのが鉄則です。
テント
テントもザックと同じように技術革新でドラスティックな変化を遂げた装備です。グランドシートと本体が別で、設営には経験とコツがいった昔の家型テントはすでに過去の遺物。現在のテントは、グランドシートと本体が一体となりポールによって立ち上がるセルフスタンディング(自立)型となっています。
キャンプで使うテントは、軽く、かさばらず、設営も簡単なクロスフレームのドームテントがお薦めです。ふつう、テント本体はグランドシート部がウレタンコーティングの防水ナイロン生地で、ウォール部分は通気性のあるリップストップ(引き裂き防止)ナイロン生地で作られています。
粗悪品のテントは、ウォール部の通気性が十分でなく、テント内で調理をしたときに酸欠や一酸化炭素中毒をおこしやすいのです。
雨天などへの対処は、テント本体の上に張るフライシートが、その機能を受け持ちます。テント本体との間に隙間を持たせてフライシートを張ることで、通気性と防水性を両立することができる仕組みになっているのです。
形で分類すると、シンプルなドーム型の他に、そのバリエーションで防風性と居住性を高めたジオデシックドーム型、さらにシェルタータイプ、簡易テントのツェルトなどに分けられます。
オートキャンプ用では、頑丈なフレームで立ち上げるオーナーロッジタイプがずっと主流でしたが、ポールに使う金属材料の発達などにより、ドームタイプでも十分な強度をもたせられるようになり、オートキャンプ用テントも設営の簡単なこちらに主流が移りつつあります。
テントには、普通、そのテント内に何人の人が収容できるか目安が出ています。ただ、この人数は、テント内のスペースをぎりぎりまで使ったときに収容できる人数なので、実際の使い勝手を考えると、収容人数+1程度の余裕をみておいたほうがいいでしょう。
とくに山岳テントの場合は、保温性を重視して普通のテントよりタイトに作ってあるので注意が必要です。
例えば、収容人員2〜3人用という表示のテントは、そこに3人が入ると、シュラフを三つ並べただけで目一杯になってしまいます。
2〜3人用とあったら『快適に使用できるのは2人まで、場合によっては3人での使用も可能』という意味です。
テントマット
グランドシートの上に直接シュラフを置いては、地面の凸凹が背中に当たったり、地面からの冷気によって安眠することは不可能です。そこで必要となるのがテントマットです。
テントマットは、大別すると三種類あります。ひとつは、エアーマット。そして、エンソライトなどの合成樹脂のクローズド・セル・フォームを使ったマット。さらに厚手のフォームパッドを気密性の高いシェルに包んだエアー&フォームタイプのマットです。
エアーマットは文字どおり風船状に気室の中に空気を入れてクッションにするマットです。これは、空気を抜けばコンパクトに収納できるのが特徴ですが、岩場などでクッション代わりに使ったりするとパンクの恐れがあります。