高尾の豆知識 


  

1-16.高尾山の新緑 ブナの受難


 高尾山の新緑の季節を見事に飾る「ブナ」の林。ブナ林は野鳥や動物達を養い水を貯え、山地斜面を保つうえでも重要な役割を果たしている。世界遺産に指定された白神山地をはじめとし東北の山々、そして高尾の山は美しく覆われている。

 しかし、このブナは、かつては役に立たない木の代名詞とでも言うべき存在だった。そもそも「ブナ」は漢字では木へんに「無」と書くことからも想像できる。
 せいぜいお椀やしゃもじなどに加工する程度の用途しかなかったのです。ただ、そのおかげで大量の伐採からは免れ、第二次世界大戦前迄は、日本全国に広いブナの林が点在していた。                 
 ブナがその運命を変えるのは、敗戦でサハリンが日本の領土ではなくなってしまったころからだ。良質の針葉樹が確保できなくなった製紙業者達は広葉樹を用いた製紙法を開発し、ブナも製紙に利用できるようになったのだ。こうしてブナの受難の時代は幕をきる。

 日本全国でほとんど「ブナ退治」とでもいわんばかりに大量の伐採が始まるわけである。かつては100年もつといわれたブナの林は急速に日本各地からその姿を消していったのである。残りわずかとなってはじめて白神山地などでようやくブナ林の保護が始まったのです。




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