高尾山で煩悩を焼き尽くせ高尾通信

高尾山の雑学・豆知識

護摩・・高尾山薬王院で煩悩を焼き尽くす

 大晦日から元旦にかけて、二年詣りの大勢の参拝者で、高尾山薬王院御本堂が溢れ、山頂では山伏、僧侶の読経の中、初日の出を迎える「迎光祭」が行われる。

 法螺貝の音とともに15人前後の僧侶が入場山伏と僧侶が山を登って御堂に入り、火と燻しのけむりのなか、激しい大太鼓の音と、僧侶の経が唱えられる・・
新年特別開帳大護摩供から始まる高尾山の新年である。

 さて、この護摩は、単に木ぎれを燃やしているのではありません。
 護摩は、そもそもは真言密教の秘法で、人々をより高い精神的境地へ導き、即身成仏にいたる修行法として組織したもので、飯縄大権現の知慧によって、煩悩(苦の源)を焼き尽くし、円満な悟りを体現することを目的にしています。

 護摩とは、梵語でホーマ(homa)といい、〈焚く〉〈焼く〉などの意味をもつことばで、仏の智慧の火を以て煩悩(苦の根元)を焼きつくすことを表します。

 つまり、護摩修行は、御本尊飯縄大権現の「身・言葉・心」の神秘的な働き(三密)を、われわれの「身・言葉・心」と一致させ、人間の煩悩を表す薪に大導師が点火して、そこに生ずる知慧の浄火で、あらゆる煩悩を焼き清めるためにおこなわれるものなのです。

 大本堂では、新年の特別開帳大護摩供や節分会、春季及び秋季大祭のほか、毎日、御護摩修行をおこなっています。

 毎日の修行は、大本坊より山伏の法螺の音を先導に、職衆の僧と大導師が列をなし大本堂に向かいますので、運がよければ、この厳かな儀式を目の当たりにすることができます。


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