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幻の駅、東浅川駅

 東浅川駅.....えっ、そんな駅知らないよ。高尾駅が昔、浅川駅というのは聞いたことがあるけれど...そうなんです。現在の高尾駅が浅川駅と呼ばれていたのをご存知のかたは多いのですが、東浅川駅となると、きっとそんな答えを返す方が多いと思います。でもちゃんと「東浅川駅」は、存在していたのです。

東浅川駅跡地 東浅川駅は、皇室専用の駅として作られました。現在の西八王子駅と高尾駅の中間にあり、昭和2年(1927)の2月の大正天皇の大葬の際、多摩御陵の最寄駅として開設されたのです。

 その後は、貞明皇太后の葬儀の際に霊柩列車が運行された際、あるいは皇族の御陵参拝用に活躍しました。当然、特殊な駅ですから、通常の駅名表示はなかったのです。

 その後、昭和35年に東浅川駅は廃止され、その駅舎は、八王子市に下賜され「陵南会館」として使用されていました。ところがここでも東浅川駅は時代の波に飲み込まれていきます。

 平成に改元後の1990年(平成2年)11月12日、今上天皇の即位の礼が挙行されることになりました。新左翼各派は即位に反対すべく日本各地でテロ事件を続発させていたのです。1990年10月9日、陵南会館の西側勝手口付近で突如爆発音とともに火の手が上がります。火は約1時間後に消し止められたが、陵南会館の大半を焼失し、付近の民家の窓ガラスが割れるなどの被害が出ました。幸いにも死傷者はなかったと当時の記録にあります。

 その後の現場検証で、消火器爆弾と時限式発火装置の残骸が発見されたため、警視庁公安部は、新左翼による爆弾テロ事件と断定しました。10月13日、革労協解放派の「革命軍」の名で犯行声明が各報道機関に郵送されたのでした。

 今はわずかに残るホームの跡が、ここが駅であったことを窺い知れるだけです。
高尾駅近くになったら、よく目を凝らしてみてください。


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