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山の怖さ




山のトラブル(事故発生)
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山で遭難したら
野生動物と遭遇したら
もしものために


野生動物と遭遇したら

山での危険性

 この数年、空前の登山ブームで老若男女、多くの人が山に入るようになりましたが、山の中では様々な動物に出会う機会があります。
 特にキャンプ時に遭うことも少なくないようです。
 考えてみると当然のことですが、キャンプなどアウトドアでの遊びは野生動物のテリトリーにわれわれのほうが足を踏み込んでいくわけですから、遭遇する確率はぐっと上がるのは間違いありません。
 とりわけ餌不足の年の場合はキャンパーたちの持ちこんだ食糧の匂いは飢えた彼らをおびき寄せるには十分すぎるでしょう。

 鳥、ウサギ、キツネなど、自然の中で出会う動物たちは感動を与えてくれますが、あまり出会っても有難くない動物たちも山の中には多数生息しています。
 イノシシ、熊など危険な大型の野生動物にもしも出会ってしまったらどうすればいいのでしょうか。

 イノシシ、熊などに遭う可能性がある生息地に入る場合は、基本的に熊鈴などを常備しましょう。
 これらの動物は基本的に金属音に対して警戒しますので、近づいてくることはありません。本来、熊はとても臆病で自ら危険を冒してまで人に近付いてこないのです。

熊と出会ったら

 まずはよく誤解されていますが、本州に生息するツキノワグマの主食は木の実類です。
 よく人間を襲うというイメージから肉食のように思われていますが決して肉食獣ではありません。
 しかし動物の死体なども餌としているようなので草食というわけではなくて雑食といえるでしょう。
 死肉も食べるということなのですからクマと出合ったとき死んだふりをするというのはあまり効果がないとおわかりでしょう。
 近づいてきた場合にはザックなどの荷物を投げるとそちらに興味を持ってその隙に離れることが可能になる場合があります。
 絶対に後ろを向いて走って逃げないように。反射的に追ってきて襲われる可能性があります。

 よく「死んだふりをする」「木の上に登る」など熊に対する間違った対処方法が伝わっていますが、この二つは全く効果がありません。
 熊に襲われて助かった人に聞くと、少しでも生き残る可能性を広げるには、最終的には戦って相手の戦意を喪失させるしか方法はないようです。

 熊撃退には、市販されている唐辛子入りスプレーなどを持っていればベストなのですが、熊の急所である鼻を目がけ、硬質なものを当てることが出来れば、逃げていく可能性は高いと思われます。イノシシ、熊共に、子連れの場合、親は捨て身で人間に向かって来ますので、とにかく近づかないこと。熊鈴を常にザックに付けて行動することを忘れないように。

<<環境省が推奨する対処法>>

・まず遠くにいるクマにきづいたときは、あわてず、落ち着いてその場から離れること。
・クマを驚かせるような大声を出したり、フラッシュをたいたりしないこと。
・近くにクマがいたときはクマに背をむけず、おちついてゆっくりとクマを見ながら後づさりしながらその場を離れること(背をむけるとクマは一気に追いかけてくる習性があります。時速50キロで追いかけれれますので間違いなく追い付かれます)
・至近距離で出会ってしまったら、あわてず急な動作で驚いて襲ってくることがあるので、冷静にクマがその場をさってから離れるようにする。
・襲われたときは両手で頭をガードする(過去に襲われて生き延びた人の例では、後頭部を腕でガードしてダンゴムシのように背を丸めて九死に一生を得たケースが見受けられるようです)。
・食料などを携帯している場合は荷物などをその場に置くこと(クマの興味がそちらにうつりそのすきに逃げられることも)

 さて、襲ってきた場合は覚悟を決めて戦うしかないわけですが、ナタなどの武器やクマ撃退用のスプレーを持って入ればそれを使って、急所である鼻先めがけて叩きつける、もしくは発射する。これで生還した例も多数あります。