本文へスキップ

高尾通信は高尾山とその周辺を観光、自然、歴史、文学、伝説、グルメに至るまで徹底的に紹介する高尾山総合案内サイトです



高尾山の自然real estate

高尾山の昆虫類

  昆虫の日本三大宝庫の一つで、採集のメッカともいわれる高尾山で、今後昆虫採集ができなくなるかもしれない。
 平成17年3月、高尾山や奥多摩、小笠原諸島など都内の自然公園の適正な利用を検討しようと、有識者からなる都の検討会が中間報告を公表した。そこで提案されたのが、昆虫保護を目的とする「虫捕り網の持ち込み禁止」だった。

 高尾山は国定公園であり、動植物採集が規制される特別保護地区の対象外だが、5000種を超える昆虫が生息し、首都圏の愛好家の聖地であるとともに、夏には子どもたちが採集に訪れる。小笠原諸島のように隔離された地域は、理解できるが、高尾山までも一律に採集規制しようという報告に、愛好家が猛反発したのだ。その結果、検討会の最終報告は「昆虫の保護を図るため、現地の状況を考慮した適切な対策を実施する」と表現が改められた経緯がある。

 もっとも、高尾山では、利用マナーの啓発や不正行為の監視を行うため、二年前から配置している都の自然保護員が、昆虫採集に来た人を見かけると、自粛を呼び掛けるようにしており、既に実質的な規制が行われていたといえる。しかし、実際に高尾山では動植物の採集を規制する法律はなく、お願いでしかない。愛好家とのトラブルも発生しているという。

 都環境局は「高尾山という狭い範囲で採集すると、昆虫が急減するなど環境への影響が大きい」と自然保護を強調するが、「生態系に影響を及ぼすという科学的な根拠はない。昆虫採集くらいなら、繁殖力で個体数はカバーできる」と反論する専門家もいる。

 確かに高尾山は年間200万人以上が利用し、オーバーユースの状態である。自然が荒れてきているのは事実で、生物の多様性や公園の目的を考えれば神経質にならざるを得ない」という考え方も納得的である。しかし、本当に自然保護を考えるなら、昆虫採集より先に高速道路などの開発行為を規制すべきだとの考えもある。


アサギマダラ

 高尾山で出会える不思議なチョウにアサギマダラがいます。

 アサギマダラは、タテハチョウ科マダラチョウ亜科に属し、羽を広げると10cm前後の大きさ。あまりはばたかずにふわふわと上品に飛ぶ浅葱色の斑紋様の透けるような薄い羽を持った可憐なチョウです。逆光で見るその容姿は、まるでステンドグラスとその美しさを絶賛する人も多いようです。羽には鱗粉がほとんど無いことも特徴です。初夏から発生しますが、晩夏から秋にかけて見る機会が多くなります。

 さて、このチョウが、ことに有名なのは「渡り」をするチョウとしてです。このチョウは、春から夏にかけては本州等の標高1000m〜2000mの涼しい高原地帯で飛びまわりっているのですが、秋には冬越しのために、南方へ移動を開始します。最近のマーキング(印づけ)調査で、このチョウは海を渡って1000km以上も大移動するというのがわかってきました。
 これが「渡り」といわれるもので、その飛行距離は、1日に何十キロと推定されます。海を渡って本州から台湾や沖縄までも飛んでいくといいます。実際、2000年に台湾台北市北部の陽明山でマークされた2個体が、鹿児島県と滋賀県で捕獲されました。

 しかし、たかだか4ヶ月程度の寿命のチョウが、どうして自分達が時期がくれば渡りをすることを知っているのでしょうか。秋に南下する時、あんなか細いチョウが、どうやって偏西風に逆らって飛びながらどのように自分が行くべき方向を判断し、南西諸島の小島を探しあてることができるのでしょうか。

 また、海を渡っている間の食物はどう確保するのでしょうか、海の夜では何処で休んでいるのでしょうか。アサギマダラには、不可解な行動や不思議な習性があり、まだその生態もよく知られていません。全国の研究者や愛好家は、このようなベールに包まれた神秘性にかきたてられ、また長距離移動のルートを調べようと、捕獲したチョウに記号をつけて放しています。

 アサギマダラは春から秋にかけては、高尾山でも多く見つかっています。是非、高尾山においでの折には、この神秘的なチョウを探してみてください。運が良ければ、台湾や遠方からきたマークをつけたチョウと出会えるかもしれません。

カンタン

 高尾山の秋は虫達の音楽会である。その中でも「幻の虫」とか「鳴く虫の帝王」とか呼ばれているのが「カンタン」で8月中旬から11月上旬まで鳴き「ルルルルルルル.....」といった感じで聞こえる。

 この季節になると八王子市観光協会が主催し「カンタンの声を聞く会」が行われています。カンタンは長さが約2cm、幅が3mmと非常にスマートな虫ですきとおるような黄緑色をしている。見るからに弱々しい(おっとカンタンに失礼!?)虫でそのためか昔から俳人や歌人にも愛好者がいるようだ。

 昆虫は変温動物だから動きや鳴きも気温に支配される。低温だと羽根の動きが鈍くなり、音量も小さく低音になる。高尾山のカンタンが人の心にまでしびれさせるように鳴くのはそんな高尾の自然からきているのかもしれない。ちなみに東京ではカンタンが聞けるのは高尾山のほかは陣場山、御岳山、大岳山くらいだという。                                      
 ところでこのカンタンを飼育している方がおられるそうです。小平にお住まいの昆虫研究家 小野公男さんがその人です。東京から年々減っている虫を保護して人工飼育、自然に返そうと、昭和42年に「多摩カンタン保存会」を結成。今では「鳴く虫友の会」に発展し、関東三都県に四つの支部と百五十人の会員がいるそうです。     
 氏は、この「鳴く虫の帝王」といわれるカンタンの研究家としても知られています。昭和39年の東京オリンピック直前に、カンタンの美しい声で外国選手を慰めたいという学者の記事に触発されて、見たこともなかったカンタンの人工飼育に挑戦したのが始まりだといいます。今では、自宅マンションの屋上にプランターやブロックを敷き詰め、カンタンの好むヨモギやメハジキソウ、オオブタクサを植えて小さな野原を再現。カンタンを放し飼いにしているそうです。高尾山と同じように、午後7時半ごろになると鳴きだすといいます。 

 ところでこの「カンタン」という名前の由来とされている故事成語の「邯鄲の夢」は、実は虫のカンタンとは関係ないのではといわれている。かつて中国の邯鄲という町で廬生(ろせい)という青年が栄華を極める夢を見たが、目が覚めてみると夕食の大粟がまだ煮えていないほんのわずかの時間だった。栄華とははかないとの例えに用いられる故事だが、この故事の中には地名以外カンタンは出てこない。

 また邯鄲のまちにカンタンは生息していない。学者の中にはこのカンタンの由来を調べている人もいるが、未だに解明されていない。




高尾山の草花
高尾山の樹木
花の名所
桜の名所
紅葉の名所
いろはの森
高尾山のスミレ
高尾山の地学
高尾山の動物たち
高尾山の鳥類
高尾山の両生類
高尾山の昆虫
高尾山と花粉症
花粉症対策