高尾の自然 


  

高尾の鳥類


 野鳥が多いのも高尾山の特徴。その数は150種類で、日本で確認されている野鳥が550種類ですから、その30%以上が高尾山で見ることができるわけです。
まさに高尾山は鳥たちの楽園です。特に春は多くの鳥たちの恋の季節(!?)。繁殖期には、縄張りを主張するために美しい声でさえずるのです。それでは高尾山で出会うことの多い鳥たちを中心にご紹介していきましょう。



アトリ


 アトリは、スズメ目アトリ科の小鳥で、黒、黄褐色、白の鮮やかな色の調和が美しい冬鳥です。スズメよりやや大きいくらいでしょうか。

 草木の種を採食しますが、一斉に来て餌をついばみ、一斉に飛び立つ、といった具合に群れで行動することが多く、まれに数十万羽の大群を作る事でも有名です。
雄の頭はバフ色で、黒色の羽が混じる。この混じり方は個体により様々で一定ではありません。
鳴き声は「キョッキョッ」「キュルキュル」「キョッキョッ」「チュゥーン」「ジュイーン」「ビーン」と様々に聞こえる。

 秋から冬にかけて、大群で渡ってくるのですが、どこででも出会えるほど観察頻度は高くないと言われています。
 ここ高尾山では、イヌブナの実が大豊作の年には、腰は白く胸は橙色のこの美しいアトリがシベリアから2000羽以上もやってきて越冬することもあります。



イワツバメ


 イワツバメは本来は山や海岸の断崖に数十個から数百個の巣を集団で作って子育てする鳥といわれている。ツバメよりずんぐりしていて、お腹と背中が白いのが特徴です。

 夏鳥として3月から4月に渡ってきます。もともとは山地や海岸の岸壁や洞窟に集団で巣を作っていたので、この名がついたと言いますが、最近では、人工物への営巣も多くなってきて、急速に都市に進出してきている。浅川で野鳥観察をされている八王子・日野カワセミ会の調査ではイワツバメは年々増加しており、川や道路にかけられる橋が増えて営巣場所が多くなったので、イワツバメが拡大しているのではないかと推測されています。ここ高尾山でも京王線高尾山口駅にも毎年巣を作っているそうです。

 餌は、空中を飛ぶ昆虫類で、高空を群飛しながら採餌しますまた、水辺などでエサをとる光景もみかけます。鳴き声はジュルルッ、チュビッというような感じでしょうか。


オオルリ


 体長15cmほどの大きさで、その愛らしい姿はもちろん、「ピーチュルリチュル」というさえずりは、山登りの疲れも吹き飛んでしまうほどのものです。オスは頭から背面が青い。頭は明るい青。顔からのど、胸は黒い。腹は白。メスは頭から背面はかっ色で腹は白く、胸にはうすいかっ色の帯がある。

 夏鳥として全国の渓流沿いの山林に渡ってきます。巣は崖(がけ)のくぼみなどにコケを使ってつくる。 ヒタキの仲間なので、主に飛んでいる昆虫を食べ、餌を見つけると枝から飛び出して捕まえては戻るという行動(フライキャッチ)を繰り返す。ウグイス・コマドリと共に姿と声が美しいことから日本の三名鳥とされています。

 声を頼りに、高い木の頂上付近を順番に見ていけば見つけられる確率が高いようです。高尾山では6号路の水辺や吊橋付近でその姿をみかけます。


オオタカ


 

 両方の羽を広げると、106cmくらい(オス)、全長は、50cmくらい(オス)です。 成鳥は頭から背、尾、翼の上面が灰黒色、目の後ろは黒く眉斑は白くて目立ちます。頭の後ろに白班がでるものも多くいます。胸や腹などは白く、灰黒色の横班が全体にあります。若鳥は背面が褐色で、下面には、黒褐色の縦班があります。尾には4本の黒っぽい帯があります。オオタカは、環境省のレッドデータリストでは、絶滅危惧II類(VU)に指定されています。絶滅危惧II類とは、「絶滅の危険が増大している種」とされています。 また、オオタカは、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(種の保存法)」で、国内希少野生動植物種にも指定されています。

 首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の「八王子城跡トンネル(仮称)」は高尾山隣の深沢山を貫く長さ2380メートルのトンネルで八王子市の下恩方地区と裏高尾地区を結び、圏央道と中央高速道をつなぐ役割を果たす八王子ジャンクションに直結する。このトンネルの北口付近で96年春にオオタカのひな3羽が誕生、その後、巣立ちが確認された。
 このため圏央道工事を担当する建設省相武国道工事事務所は「圏央道オオタカ検討会」を発足させ、約1年にわたりオオタカの生息状況の調査や工事方法のあり方等を検討してきました。今回まとまった工事の大枠は入り口付近の工事には発破を使わず機械掘削を行うとか入口以外の工事で発破を使う場合でも防音扉を設け爆薬使用量を減らす、掘削土の集積場などトンネル以外の施設に遮へい、遮音を施すとといったものです。                                            
 これに対しオオタカの調査を行っている地元の自然保護団体「城山のオオタカを守る会」では警戒心の強いオオタカの工作物に対する影響も解明されておらず、そもそも工事の実施を前提にしながらオオタカを保護するのは矛盾している」と反発している。 


ウグイス と メジロ


 ウグイスは、「ホーホケキョ」という美しい鳴き声で有名な鳥ですね。最近の繁殖調査によると、全国的にスズメよりウグイスの方が広く分布することがわかってきたのだそうです。      

 冬期の鳴き声は、チャッ、チャッという地鳴きの声ですが、春が近づくと1日の明るい時間(日照時間)が少しずつ長くなり,気温もだんだん上がってきてウグイスは,そのころあの特有のさえずりを始めます。美しい声で鳴くのはおすだけで,この声で相手のめすをよんでいるのです。そして,夏は山ですをつくり,子どもを育て,冬はまた平地にやってきます。            
 よくウメにウグイスといいますが、ウメの花のみつをすいに来るのはメジロです。我が家の庭のウメへの来訪者もほとんどがメジロのようです。ウグイス色とよばれるのも実はメジロの色で,ウグイスは茶色っぽい色をしています。メジロはウグイスよりも小さく,目のまわりが白いので見分けがつきます。メジロは、実は四季いつでもみることができる留鳥です。高尾山では、春はツバキの花で蜜を吸う姿を多く見かけます。                  



ウソ


 20cmくらいのスズメよりちょっと大きいくらいの小鳥です。福岡の太宰府天満宮や東京亀戸の亀戸天神の「鷽替え」の行事でも有名ですね。頬のあたりが赤くなっているのが雄です。

 高尾山へは冬やってきて桜のつぼみややっと膨らんだ木々の新芽をおいしそうについばんでいます。ひゅーひゅーと冬の高尾の山で誰かが口笛を吹いているような声にであったら、ウソかもしれません。(うそじゃありませんよ)



カヤクグリ


 カヤクグリは、高尾山の常連さんの冬鳥です。比較的気候が温暖で、食物にも恵まれている高尾山には、本州の高山から、たくさんの鳥達がおりてくるわけですが、その代表選手のひとり(?)です。カヤクグリは、その清楚(?)な姿から「ハイマツの乙女」と呼ばれていますが、東京で観察できる場所は、高尾山を除いてまずは見当たりません。

 本州では,白山山系が連続した繁殖地の西限にあたり,離れて中国山地北部と紀伊半島に孤立した繁殖地があるようです。また,主に亜高山帯に分布するために,繁殖個体群が孤立・分断している傾向があります。冬期は主に高尾山のような低山帯の低木林などで見られます。

     

キビタキ


 夏鳥として全国の大きな木のある森に渡ってくる。オスは頭から背が黒く、まゆと、のどから腹、腰が黄色い。のどはオレンジ色にも見える。黒い翼に白い模様がある。メスはかっ色で、のどと腹はうすい。
低山の明るい広葉樹の林にすむ。オスは木の中間の枝にとまってさえずる。フライングキャッチで餌を採る事が中心である。林内の枝に止まり、木の葉の裏面にいる虫や空中を飛翔する昆虫を狙う。捕まえると、元いた枝やその近くの枝にもどる。採餌場所は短時間で変わる。秋の渡りの時期には液果も好んで食べる。
さえずりは金属的な高い声で、ときおりオーシツクツクや、コジュケイのようなチョットコイと聞こえる声も出す。葉の良く茂った落葉広葉樹の、中ほどの枝に好んでとまるため、さえずりは聞こえても姿を見つけるのが難しい。
高尾山では4号路付近でみかけることが多いようです。

 



クロツグミ


 北海道から九州までの各地で繁殖する、西南日本では越冬する個体も居るが、夏鳥として山地から平地の林に渡来する。「キョロロンキョロロン」「キコキコ」....と林や茂みの奥から聞こえてきます。

 丘陵地から1000m以下の山地の林に棲息しする。オスとメスで体色が大きく異なり、オスでは頭部や胸、背面が黒く、腹側には白い地に黒の斑紋があり、くちばしと脚は黄色。メスは上面が褐色で白い腹に褐色の斑紋、また胸から脇腹の辺りがオレンジ色をしています。くちばしと脚もオスに比べて落ち着いた色合いです。
 高尾山のほか陣馬山でも時折見かけます。



キセキレイ


 繁殖期には低山から山地帯の渓流や沢など、淡水の速い流れのある場所を好む鳥である。ほかのセキレイ類より尾が長めで、屋根や電線、梢などで「チチン、チチン」と鳴く下半身の黄色い姿はよく目立つ。      

 長い尾を上下に振りながら地上を歩き、石から石に飛び移って、水辺にいる水生昆虫の幼虫をくわえとる。そのとき飛び立った水生昆虫の成虫を追って飛びながら捕らえるフライキャッチングで捕食することも多い。食物となるのはおもにガガンボ類、カゲロウ類、トビケラ類、トンボ類の成虫のほか、アブの幼虫、クモなどである。


サシバ


 サシバは、カラスより一回り大きいほどの中型のタカで、分類学上は脊椎動物門(せきついどうぶつもん)、鳥綱(ちょうこう)、ワシタカ目、ワシタカ科、サシバ属に分類されます。体の上面は褐色。白い眉斑があり、喉は白くて中央に黒い縦線があります。下面は白くて胸と腹には褐色横斑があり、胸では密。雄は羽が赤銅色で,頭部が灰褐色を示し,雌は灰色味がなく,頭部も羽も暗褐色です。雌の方が雄に比べて、いくらか大きくなります。

以前は、一般に里山(さとやま)と呼ばれるような地域や山間部、低山周辺でよく見られたが、水田や森林などの消滅で激減した。サシバが好んで繁殖する丘陵部の谷の奥は、都市部近郊では宅地のために開発され減少している。オオタカよりも生息数が少ないと言われ、2006年12月、環境省が絶滅の危険が増大している絶滅危惧2類に分類した。

 このように里山で繁殖しているサシバはここ高尾山でみることができます。サシバは群れで渡りをし、春は4~5月に北上し、秋は9月中旬~10月中旬に南下する群れが各地で観察されています。春と秋、大きな群れとなって渡ります。
産卵は4月下旬~5月上旬で、産卵数は2~4個。抱卵期間は約30日で、ふ化後36日前後で巣立つ。夏鳥として本州より南の低山帯で繁殖する。繁殖個体数は少なく、近年減少している。

 餌はヘビを好んで食べるほか、ノネズミ、小鳥、カエル、バッタなど昆虫もよく食べる。
よく鳴くほうで、上空を輪を描いて飛びながらピックウィー又はキンミーとよく通る声で鳴く。「キミー」とも聞こえるということからキミ鷹と呼ぶ地方もある。



センダイムシクイ


 低山帯の落葉広葉樹林に生息する。夏鳥として渡来し、北海道から九州までの各地で繁殖するが、九州では少ない。なだらかな場所の林よりも傾斜の急な林を好むのは、崖地に営巣する習性と関連している。センダイムシクイは、スズメ大の小さな鳥。ウグイスの仲間で、背中側と翼が黄色みを帯びた緑色をしており、頭の真ん中にある淡い緑色の線が特徴。原野ではキタコブシやサクラが咲く5月上旬に飛来し、平地から山地の広葉樹林で子育てを始めます。

センダイムシクイのさえずりは、他の野鳥たちのさえずりとはっきり区別できます。というのもこの時期に聞かれる「チョ・チョ・ビー」というさえずりは、「焼酎一杯グイー」とか「鶴千代ぎみー」「疲れたビー」などと聞きなされるからです。

 野鳥の中にはカッコウやツツドリなどのように自分では子育てをせずに、他の野鳥に子育てをさせる託卵という変わった習性を持つ野鳥がいて、センダイムシクイはツツドリに託卵される野鳥であることが分かっています。

 ちなみにこの名前、仙台に多いからではなく,歌舞伎の「伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)」の鶴千代君にちなんでつけたと言われている。



モズ


 すっかり秋らしくなった高尾山麓では、「キィ-キィキィキィ」という甲高い鳴き声がよく聞こえてきます。モズは秋になるとやってくる、可愛い顔した猛禽類です。特にこの高い鳴き声は、「モズの高鳴き」とよばれます。秋から冬にかけて、モズは雄も雌も一羽ずつ縄張 りを持って生活します。雄だけでなく雌も同じように鳴きます。モズの高鳴きは縄張り宣言だといわれています。しっぽを、ぽんぽんと振りながら良い声でなきます。探してみてください。     

 また、モズは、時折、モズの高鳴きの大きな声から、他の鳥のやさしい声に突然変わること があります。でも、そこで鳴いているのは同じモズです。これはモズが他の鳥の鳴きまねをしているもので、「ぐせり」と呼ばれています。ホオジロ・シジュウカラ・ヒバリ・ウグイス・メジロ・カワラヒワなど、いろいろな鳥の鳴きまねが知られています。まさにモズは、鳥界の「ものまね天才」ですね。      

 また、モズは鉄刺などに、つかまえたトカゲなどの獲物をさしたりする「モズのはやにえ」 という貯食行動は有名です。小さな身体の割には目がクリっと大きくてとても愛らしいモズですが、時にはスズメなども捕食してしまうほどの、なかなかの狩人なんです。      

 ところでこのモズには「モズのはやにえの位置が高いと雪多い」ということわざがあります。 本当なんでしょうかね。モズは冬場の餌として小動物をとらえて自分のなわばりの木の枝にさしておきますが、このはやにえが雪にうまってしまうということは餌が無くなるということになり、モズにとっては生死に関わります。そこでこんなことわざができたんでしょうね。でも、モズが雪の量を予知するというのは考えにくいものです。おそらく、はやにえをさすころ(秋)が寒いとモズもはやにえを高いところにさすのでしょう。秋に寒いと冬の寒さは厳しく雪が多いと考えるのは自然ですが、一概には言えません。




ルリビタキ


 体長は、約13~15cmで、尾を上下に細かく振りながら「チッチーチチロチィー」となくルリビタキも高尾山の人気の冬鳥です。オスは背中と尾がるり色、脇腹は橙色。

 メスと若鳥は背中がオリーブ褐色で、尾は青く脇腹は橙色です。主な生活場所は針葉樹林、渓流沿いの林で、高尾山では、11月中旬から3月中旬頃まで1,3,6号路でその姿を見ることが できます。






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